こんにちは。キーボーディストのまえばよしあき(@maebayoshiaki)です。
前回は、シンセサイザーの音作りの基本となる「4つの機能」と「サウンドの流れ」について解説しました。

シンセサイザーのサウンドの流れは実にシンプルで、ひとつひとつの機能を理解していけば難しくない!というお話でしたね。
今回は、シンセの音作りのスタート地点「オシレータ(OSC/VCO)」について解説していきます。
うさぼんぬ
オシレータとは?
オシレータとは発振器のことでしたね。
シンセサイザーの音色の根っことなる「音そのもの」を生成する場所であり、「シンセのスタート地点」です。
- 基本となる波形(WaveForm)の選択
- 音の高さ・音程(PITCH)の操作
などができる場所と覚えておきましょう。
今回はソフトシンセの画面で解説していきます。
「OSC1」「OSC2」と書かれている部分がオシレータです。
シンセサイザーでも音作りのしくみは基本的に同じなので、まずは構造を理解していきましょう。
波形の種類
波形は「WaveForm」とも呼び、波形の名前も「ーWave」と表記されます。
今回は代表的な波形をご紹介します。
それぞれの音色の違いとなる「倍音成分」に注目しながら見ていきましょう。
サイン波(Sine Wave)
サイン波は、基音以外の倍音成分を含みません。
丸くて柔らかい音色が特徴です。
音響機器の測定などにも使用されている波形です。
倍音成分を持たず、波形として使われることが少ないことから搭載されていない機種もあります。
ノコギリ波(Sawtooth Wave)
ノコギリ波は、見た目のとおり「ノコギリの歯」のような形をした波形です。
すべての整数倍音を含み、エッジの聞いた明るく力強いサウンドが特徴。
例)基音が100Hzだとした場合、200Hz、300Hz、400Hz、500Hz、600Hz・・・・・・と基音の整数倍の周波数すべてを含んでいる。
倍音成分が多い波形なので、多くの楽器の音を作るのに適しています。
特に、シンセベースやシンセリード、シンセブラスなどのパワフルな音作りに欠かせない波形です。
矩形波(Square Wave)
その名のとおり、四角い形をした波形です。
矩形波は、奇数倍音のみを豊富に含み、機械的でポップな音が特徴。
例)基音が100Hzだとした場合、300Hz、500Hz、700Hz・・・・・・と、基音の奇数倍の周波数のみが含まれる。
ファミコンゲームのようなピコピコサウンドはこの波形でつくられています。
木管楽器や木琴などの音も矩形波が適してますね。
また、矩形波の波形を時間的に変化させたものを「パルス波」と呼びます。
矩形波はパルスの幅(Pulse Width)が均等につくられているのに対し、パルス波はこの幅を変化させたもの。
パルス幅を変えると、派手できらびやかなサウンドにすることができます。
ただし、幅が0になると音が消えてしまう場合もあります。
三角波(Triangle Wave)
その名のとおり、三角の形をした波形です。
矩形波と同じく奇数倍音のみ含みますが、矩形波との違いは倍音の音量が少ない点です。
そのため、矩形波より柔らかめの音色がでます。
こちらもゲームのピコピコサウンドで使われています。
倍音が少ない点から、オカリナやピッコロ・リコーダーといった柔らかめの楽器の音に適しています。
ノイズ波
ノイズ波はそれ単体ではただの雑音ですが、シンセの音作りには欠かせない存在です。
他の波形との合成や、スネアドラムなどの打楽器・効果音の生成によく使われます。
オシレータのもう一つの機能「ピッチ調節」
オシレータでは波形選択の他に、音の高さ(音程・ピッチ)を調節することができます。
ピッチ調節する機能はいくつかありますが、代表的なものをご紹介します。
オクターブ(Octave)
多くのシンセサイザーは、オクターブを切り替えできるスイッチがあります。
代表的な物は2つ。
- 「32’」「16’」「8’」「4’」「2’」というフィート単位のもの
- 「-2」「-1」「0」「+1」「+2」というオクターブ単位のもの
フィートという単位は、パイプオルガンのパイプの長さに由来しており、長ければ音は低く・短ければ音は高くなります。
32フィートが一番低いオクターブ、2フィートが一番高いオクターブということになりますね。
機種によって異なりますが、機能は同じ。
よく使う機能なので覚えておきましょう。
チューン(Tune)
その名の通り、ピッチを半音単位で調節することができるつまみです。
別名でCoarse Tuneと呼んだりもします。
ファインチューン(FineTune)
ファインチューンは、セント(Cent)単位で音色のピッチをずらすことができます。
セント(Cent)= 半音の100分の1の単位。100セントで半音1個分ピッチが変化する。
この機能は、今後解説する「デチューン」に欠かせない機能になるので、覚えておいてください。
この記事のまとめ
いかがでしたか?
シンセの音作りのスタート地点「オシレータ」についての解説でした。
オシレータは音作りの根っこ部分です。特徴をしっかり押さえておきましょう!
うさぼんぬ
この記事のまとめ
- オシレータはシンセサイザーの音色の根っことなる「音そのもの」を生成する場所であり、「シンセのスタート地点」
- オシレータで生成される代表的な波形は「サイン波」「ノコギリ波」「矩形波」「三角波」「ノイズ波」。
- オシレータでは音の高さを調節できる「Tune」「Finetune」という機能がある。
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