こんにちは。キーボーディストのまえばよしあき(@maebayoshiaki)です。
前回は、フィルターの基本的な機能について解説しました。
シンセサイザー音作りの基本④ 〜フィルターのしくみ〜代表的なフィルターとパラメータの紹介でしたね!
今回は、代表的なフィルターの特徴や使い方について詳しく解説していきます。
うさぼんぬ
音域による音色の違いをなくす「キーボードフォロワー」
フィルターで音作りをする前に、まず「キーボードフォロワー」について押さえておきましょう。
まえばよしあき
シンセサイザーは、音域によって音色ばらつきが生じます(高域に行くについれ音が柔らかくなる、など)。
この音域による音色の差をなくすのが「キーボードフォロワー」です。
次の音色を聴きくらべてみましょう。
キーボードフォロワー「0」の時
キーボードフォロワー「100」の時
前者は音色全体にキーボードフォロワーがかかっている状態。
そのため、高音域にフィルターで削られてしまっていますね。
対して後者は、フィルターのカットオプポイントが音程に合わせて自動調節されているため、音色に大きな変化がないことがわかります。
このように、最初はキーボードフォロワーをMAXに設定した上でフィルターの音作りするとわかりやすいでしょう。
必要に応じて数値を下げて、音色の雰囲気を調節してみてください。
代表的なフィルターの種類
では、実際にフィルターひとつひとつを見ていきます。
前回の記事で解説したとおり、代表的なフィルターは以下の4つでしたね。
それぞれの特徴を詳しくみていきましょう。
こちらの元の音色との変化を聴き比べてみてください。
フィルターなし
ローパスフィルター(LPF)
ローパスフィルター(Low Pass Filter)は、高域成分をカットするフィルターです。
別名「ハイカットフィルター(High Cut Filter)」とも呼ばれます。
高域をカットするので、音色を丸く柔らかい音にすることができます。
- フィルター:LPFを選択
- レゾナンス:0
- スロープ:-12dB/oct
上記の状態で、カットオフポイントを高域→低域に動かします。
低域にいくに連れ、音が柔らかくなりましたね。
最も使用頻度が高いフィルターです。
レゾナンスを加えた場合
ここでレゾナンスについてみておきましょう。
- フィルター:LPFを選択
- レゾナンス:100
- スロープ:-12dB/oct
上記の状態でカットオフを、「0→100→0」で動かしてみます。
カットオフポイントに合わせて、その音域が強調されているのがわかりますね。
うさぼんぬ
ハイパスフィルター(HPF)
ハイパスフィルター(High Pass Filter)は、低域成分をカットするフィルターです。
低域が少なくなるので、音色が軽くてシャキシャキとした音になります。
- フィルター:HPFを選択
- レゾナンス:0
- スロープ:-12dB/oct
カットオフポイントを高域→低域に動かしていきます。
最初はほぼ聞こえませんが、低域にいくに連れて基音の成分が増え、音の輪郭が出てきましたね。
カットオフポイントを高域にするほど、音色が軽くなります。
バンドパスフィルター(BPF)
バンドパスフィルタ(Band Pass Filter)は、指定した周波数近辺のみを残し、それ以外の帯域をカットするフィルターです。
欲しい帯域成分のみを鳴らしたい場合に使います。
- フィルター:HPFを選択
- レゾナンス:0
- スロープ:-12dB/oct
カットオフポイントを低域→高域に動かすとこうなります。
カットオフ近辺の周波数帯域の音のみが聞こえていますね。
機種によっては、この帯域の幅を調節できるものもあります。
ノッチフィルター(Notch)
ノッチフィルター(Notch Filter)とは、指定した周波成分のみをカットするフィルターです。
バンドパスフィルターの正反対のイメージのフィルターですね。
まえばよしあき
うさぼんぬ
- フィルター:NOTCHを選択
- レゾナンス:0
- スロープ:-12dB/oct
カットオフポイントを低域→高域に動かすとこうなります。
指定されている帯域が聞こえづらくなっているのがわかりますね。
シンセの音作りでは使う頻度は少なめですが、他の楽器の周波数帯域の被りを減らしたい時などに活躍します。
この記事のまとめ
いかがでしたか?
周波数帯域をいじる機能「フィルター」ならではの音の変化を感じてもらえたかと思います。
オシレータで生成した波形を、自分好みにコントロールできるめちゃめちゃ便利な装置です。
フィルター操作の知識は、イコライザー操作にも通じているので覚えておきましょう。
うさぼんぬ
この記事のまとめ
- フィルター調節するときは「キーボードフォロワー」はMAX状態ではじめる。
- 「キーボードフォロワー」は音域ごとの極端な音色差をなくすことができる機能。
- 高域をカットする「ローパスフィルター」、低域をカットする「ハイパスフィルター」が特によく使われる。
- 指定した周波数帯域を調整する「バンドパスフィルター」「ノッチフィルター」は細やかな調整などに使われることが多い。
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