「コード理論」初心者入門コーナー
ポップスで使える初心者向けのコード理論を解説していくシリーズです。
これまでメジャーキーを中心に解説をしてきましたが、マイナーキーにもダイアトニックコードがあります。
マイナーダイアトニックコードは、ノンダイアトニックの醍醐味のひとつ「マイナー借用」だったり、
「ハーモニックマイナー」や「メロディックマイナー」といった、マイナー特有の手法を使うためにかかせない知識です。
まえばよしあき
というわけで、2回に分けて解説していきます。
1回目の今回はマイナーダイアトニックコードの基本を解説していきます。
うさぼんぬ
マイナースケールは3種類
音階の解説のとき、マイナースケールには3種類あるというお話をしましたね。
- ナチュラル・マイナースケール(自然短音階)
- ハーモニック・マイナースケール(和声的短音階)
- メロディック・マイナースケール(旋律的短音階)
それぞれがどんなスケールなのかを見ていきましょう。
キーはCで解説していきます。
ナチュラル・マイナースケール(自然短音階)
ハーモニック・マイナースケール(和声的短音階)
メロディック・マイナースケール(旋律的短音階)
まえばよしあき
まずは、スケールごとの雰囲気の違いを知っておきましょう。
「音階(スケール)が調(キー)を決める」というお話でしたが、マイナーキーを決めるスケールは「ナチュラル・マイナースケール」になります。
他の2つのスケールは、ナチュラル・マイナースケールが改造された形のスケールなので、まず「ナチュラル・マイナースケール」をしっかり理解しましょう!
マイナーダイアトニックコード
マイナースケールが3種類あるように、マイナーダイアトニックコードも3種類あります。
まずは、最も基本となるナチュラル・マイナースケールでつくられたダイアトニックコードを解説します。
以前、ナチュラルマイナースケールを解説したときに、
CのメジャースケールとAナチュラル・マイナースケールを説明しましたね。
まえばよしあき
今回はマイナーダイアトニックコードの解説のため、Cのナチュラルマイナーに移調して解説していきます。
うさぼんぬ
まえばよしあき
Cのメジャースケールと比べると、Cのナチュラル・マイナースケールは、「III・VI・VII」がフラットしています。
つまり、ナチュラルマイナースケールは、メジャースケールの「III・VI・VII」がフラットしたスケールということがポイントになります。
これをメジャーと同じ要領で、ダイアトニックコードにしてみましょう。
三和音
四和音
マイナーダイアトニックコードの役割について
では、マイナーダイアトニックでの役割を見ていきましょう。
以前「トニック・ドミナント・サブドミナント」という役割のお話をしましたが、メジャーのそれとはちょっと異なります。
メジャーダイアトニックコードはこのような役割でした。
これに対し、マイナーダイアトニックコードの役割は、
- トニックマイナー(Tm)
- ドミナントマイナー(Dm)
- サブドミナントマイナー(SDm)
という風になります。
これを、マイナーダイアトニックコードのディグリーネームに当てはめてみましょう。
メジャーと比較するとこのような形になります。(上がマイナー・下がメジャー)
ポイントは4つ。
- マイナーの「III・VI・VII」のコードにフラットがつく。
- マイナーの「III」のコードが、メジャーキーのトニックになる。
- メジャーでいう「ドミナント」がない。
- 「VII」のコードはサブドミナントマイナーになる。
マイナーダイアトニックコードの大きな特徴は、ドミナントの役割を持つコードがないということ。
そのため、Vm→Imの進行は、メジャーキーのそれより穏やかな進行になります。
この記事のまとめ
いかがでしたか?
マイナーダイアトニックは、少し複雑で難しいですよね。
今回は基本なので、解説した内容が理解できればオーケーです。
次回はもう一歩、マイナーダイアトニックコードを掘り下げます。
なぜ、「ハーモニックマイナー」や「メロディックマイナー」が生まれたのか。
そして、それらのダイアトニックコードがどうやって使われているのかを解説していきます。
うさぼんぬ
- マイナーキーの基準は、ナチュラルマイナースケール。
- ナチュラル・マイナースケールは、メジャースケールの「III・VI・VII」をフラットさせたスケール。
- ナチュラルマイナーのダイアトニックコードには「ドミナント」がない。
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