こんにちは。キーボーディストのまえばよしあき(@maebayoshiaki)です。
前回は、エンベロープの仕組みと音作りについて解説をしてきました。
シンセサイザー音作りの基本⑥ 〜エンベロープのしくみ〜 シンセサイザー音作りの基本⑦ 〜エンベロープの音作り〜音に時間的な変化を加えることで、いろんなサウンドを作ることができましたね!
今回は、シンセサウンドに欠かせないもう一つの時間領域「モジュレーション」と「LFO」について解説をしていきます。
うさぼんぬ
シンセでよく聞く「モジュレーション」って何?
「モジュレーション」と聞くと、シンセサイザーのモジュレーションホイールをイメージする方が多いのではないでしょうか?
では、このモジュレーションホイールは何をやっているホイールなのか?
ただビブラートがかかるホイールと思っていませんか?
その手前のお話として「モジュレーション」について掘り下げていきます。
モジュレーション(modulation)は「変調」という意味。
シンセにおいては「音に何らかの変調をもたらすこと」として使います。
うさぼんぬ
変調とは、読んで字のごとく「音の調子を変えること」。
もともとの音に対してモジュレーションをかけて、音の調子を変えるということです。
シンセには、モジュレーション信号を発信する「モジュレータ」という装置が搭載されています。
そこから発信された信号を受け取る側のことを「ディスティネーション」と呼びます。
まずはこのしくみを押さえておきましょう。
重要!
- モジュレータ:変調をかける信号を発信する装置
- ディスティネーション:信号を受信する側(変調される側)
そして、モジュレータの中で最も代表的なものが、これから紹介する「LFO」という装置になります。
LFOとは?
LFOとは「Low Frequency Oscillator」の略で、「低い周波数を発振するオシレータ」のこと。
通常のオシレータは、耳で聞こえる範囲(可聴範囲)の周波数を作り出すのに対して、LFOは耳に聞こえないほどの低い周波数を作り出すことができます。
- 通常のオシレータ:20Hz〜20kHz
- LFO:0Hz〜500Hz
この耳に聞こえないほど周波数を、各装置に送り込むことで音に変化をもたらすことができるというわけです。
LFOの信号をオシレータ・フィルター・アンプ部分に送ると、下記のような効果が得られます。
- LFO × オシレータ = ビブラート
- LFO × アンプ = トレモロ
- LFO × フィルター = ワウ
一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
シンセでは、LFOを使えばエフェクターがなくてもこのような効果を得ることができるんです。
まえばよしあき
モジュレーションのことを、「くすぐる」と言い表したりします。
モジュレータがディスティネーションをくすぐっているとイメージするとわかりやすいかもしれません。
また、モジュレータのように信号を発信する側のことを「ソース(Source)」と記載されている機種もあります。
LFOのパラメータ
では、LFOで押さえておくべきパラメータを見ておきましょう。
波形(Wave Form)
LFOもオシレータなので、まずは波形を選択します。
最もよく使われるのが三角波やサイン波ですが、作りたい音に合わせて波形を選んでいくのがいいでしょう。
周波数(Rate)
Rateとは、LFOの周波数を調整するパラメータです。
まえばよしあき
元の音に対して、どれくらいの速さ・細かさでモジュレーションをかけるかを調節します。
量(Amount)
アマウント(Amount)とは、「量」を決めるパラメータです。
まえばよしあき
元の音に対して、どれくらいの強さでモジュレーションをかけるかを調節します。
上のソフトシンセの場合、量の部分は「Mod」と表記されています。
発信側=ソース(SRC)に「LFO1」をセットし、受信側=ディスティネーション(DEST)に「Osc1 Pitch」をセット。
その上で、「Mod」でかける量を決めていくわけですね。
この記事のまとめ
いかがでしたか?
モジュレーションで得られる効果には、他にも無限にあります。
まずは最も代表的なLFOを使って、音を変調させる感覚を掴んでいきましょう。
次回は、実際にLFOを使った音作りについて解説します。
うさぼんぬ
この記事のまとめ
- モジュレーションとは、音に何らかの変調をもたらすこと。
- 代表的なモジュレーションは「LFO」であり、各装置に信号を送ると「ビブラート」「トレモロ」「ワウ」といったエフェクティブな効果が得られる。
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