キーボーディストのまえばよしあき(@maebayoshiaki)です。
前回は「マインドセット編」ということで、継続の基礎になる心持ちのお話をしました。
今回はより具体的に毎日の練習方法を深掘りしていきたいと思います。
まず、こちらのツイートをご覧ください。
練習は嘘をつかないって言葉があるけど、頭を使って練習しないと普通に嘘つくよ。
— ダルビッシュ有(Yu Darvish) (@faridyu) June 11, 2010
厳しい指摘ですが、とても的を射ている内容だと思います。
(僕もめちゃくちゃ心当たりがあります・・・)
では、どういう練習であれば、本当の効果が得られるのかを掘り下げてみたいと思います。
間違った練習にならないための3ステップ
僕が練習する際に実践している3つのことをご紹介します。
- やらないことを決める(目的の明確化)
- 間違えない練習をする(正確さの追求)
- 録画する(客観性を持つ)
順に見ていきますね。
やらないことを決める(目的の明確化)
僕自身がそうだったのですが「練習が目的になりがち」なんですよね。
練習は大切なことなんですが、
「練習という行為そのものゴールにしてしまいがち」ということです。
練習は闇雲に増やせばいいわけではありません。
基礎練習を増やしてもアドリブができるようにはならないですし、
できること(負荷が少ないこと)を続けていても上達にはなりづらいです。
自分の目標に対して、どうすればそこに近づけるのかを逆算してみましょう。
最初は「この曲をまるまる通して弾いている自分」という目標でよいと思います。
そこで浮かび上がった課題の中から、やるべきことに優先順位をつけてみる。
優先順位をつけることは、取り組みが整理されるのでとてもオススメです。
間違えない練習をする(正確さの追求)
練習をするときに一番意識してほしいのは「正確さ」です。
正確さには二つの軸があります。
- 音の正確さ:正しい音、音価(音の長さ)、休符 など
- リズムの正確さ:メトロノームに対して適切なタイミングか
とにかくこの二つを大切にすることです。
ある程度弾く内容がわかってきたら、テンポどおり止まらずに練習すること。
当然最初からインテンポでは弾けませんので、確実に弾けるゆっくりなテンポからはじめましょう。
「できている基準」はテンポどおりに間違えずに弾くこと、と考えておくとよいでしょう。
表現はそのちょっと先の話になります。
録画する(客観性を持つ)
自分が弾いていることは、なかなか客観的には見えません。
録画とはいわば鏡を見ることです。
自分が取り組んでいる練習が、どんな風に聞こえるか。
客観的に眺めてみましょう。
録画の良いところは、過去の自分との比較もできることです。
10日前と今日とでは、明らかに変化があるはず。
ぜひ練習に取り入れてみてください。
練習は積み重ね
練習から得られる実感は、「前進の実感」と「成長の実感」に分解できます。
- 前進の実感:今日できるようになったこと
- 成長の実感:これまでの積み重ねでできるようになったこと
ここを混同すると、前進できているのに成長できていないという錯覚に陥ってしまうので注意が必要です。
当然ですが、前進がなければ成長はありません。
そこでオススメしたいのが、練習内容を記録しておくこと。
詳しく見ていきましょう。
記録のススメ
記録のコツは「数値化」されていることです。
例えば、
「今日は●小節練習できた」とか、「テンポを60から64に上げることができた」とか。
ノートや手帳に書いておくもよし。
譜面の脇などに日付とセットで書き込んでおいてもいいでしょう。
前進を数値化しておくことで、自分なりの成長を視覚化することができます。
成長はマイナスにはならない
成長とは前進の積み重ね、とお話しました。
たまに「練習をさぼると弾けなくなる」とおっしゃる人がいます。
確かにその通りなのですが、
弾けなくなるのではなく、一時的に弾ける量が減っているだけだと思うんです。
「弾けなくなる=0」に戻るわけではなく、
「弾ける=1」だったものが「0.8」とかに減っているだけ。
ちょっと練習すればすぐリカバリーできます。
あんまり深刻に考えず、取り組んできた記録を見返しながらコツコツやることが大切だと思います^^
発表の機会を持とう
最もよいのは「他人に聞いてもらう」という方法です。
レッスンを受けている人であれば先生でもいいし、家族や友達でもいいですね。
オーディエンスという存在は、それだけで「非日常」の空間を創り出してくれます。
「非日常」は自分の成長を加速させる装置にもなります。
恥ずかしがらず、心許せる存在の人に聞いてもらう機会を作ってみましょう。
まとめます
ここまでのお話を整理してみます。
- やらないことを決めて「練習の目的」を明確にしてみよう
- 間違えない練習と心がけて「正確さ」をアップしよう
- 録画して今の自分を観察してみよう
というお話でした。
記録をつければ前進が実感できます。
そして、誰かに聞いてもらえば成長を実感できます。
レッスンにはそういう視点や機会が詰まっていますので、独学で頑張ろうとしている人にもオススメです。
2回に分けて書いてきた「練習の継続のヒント」、いかがだったでしょうか。
少しでも参考になれば嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました!
おわり。
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